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ものづくり

  • 執筆者の写真: y-tsunooka
    y-tsunooka
  • 2022年2月12日
  • 読了時間: 2分

半田は酢造りで有名である。ミツカンである。

半田は醸造のまちとして栄え今に至る。

子供の頃酢のにおいを嗅ぎながら遊んだものだ。

大じいは刈谷から運送屋でミツカンの酢を運ぶため

こっちにやってきた。明治のことである。

当然トラックではなく馬車である。ミツカンには遠いがご縁はある。

でJR半田駅の近くに25くらいまで生まれて住んでいて

近くに酒屋さんがあった。しょっちゅう遊びに行ってた。

当然お使いもしょっちゅう行ってた。

で、大工見習いの頃の話になるのだが。

そこもリフォームに行ってた。

そこの旦那さんが当然僕のこと知ってますけど

非常に人当たりの優しい人でほんといい人だった。

で、仕事やっていると

『いいかい、恭行君。人にはね、『ものを作りたい』って欲求があるんだ

僕みたいなものを売っていることなんてつまらないんだよ

こうやって自分の作ったものが使ってもらえる、綺麗になっていくって

すごいんだよ、素晴らしいことなんだよ。だからお父さんのいうこと良く聞いて

しっかりやるんだよ』って言われた。その時も相変わらず大工仕事なんて

やりたくなかったもんだから『へいへい』って適当に相槌打ってたけど

子供の時から大工仕事は見てましたからね。

小学生の時から『げんのう』は振ってましたから、ま、その辺はともかく

ま〜その時にもお酒も作る仕事ではあるよね、杜氏さんとかいるしみたいには

思いましたけど。しばらくしてもう完了間際になって

もう仕事も終わろうかという頃、朝現場行ったら、酒屋さんのおかみさんが泣きながら

『お父ちゃん死んじゃっちゃよ!』って

『へ?』『嘘でしょ?』『ほんとだよ交通事故で』

あれ遺言だったのか!あまりにも急である。

『家触ったから』と何かにつけ言われるのは大工の宿命。

でも今でもあの時の旦那さんの言葉は忘れない。時々思い出す。

『言霊』ってあるけど信じていいと思う。

確かに大工仕事は大変だ。でも完成した時の喜びはあると思う。

それが建築の面白さでもある。


 
 
 

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